bure2015/09/14 15:50

その日は連続して、むし暑い日だった。
 冷房のファンもむなしく空転しているように生あったかい風を送ってくる。
いっそ家じゅうの窓という窓を開け放ち外からの空気を入れてこの生暖かい空気を追い出してしまいたい衝動にかられる。そんな暑い日に愛犬「ブレ」が死んだ。8月19日10:45分ごろだった。

 家内が海外旅行中の出来事だ。楽しそうに旅の計画を姪と練っているときに、私の脳裏にブレの事がかすめた。もし、旅行中にブレに何かあった場合連絡を入れずに埋葬しておくよ。
 そうね!と家内の返事、あきらめているのか、それとも私が帰るまではそんなことは無いと考えていたのか分からないけれど、家内が帰宅する1日前に現実となってしまう事に。
 
 最近心臓が時々止まるらしく、突然倒れうめき声を発する。ウォーンウォーン
と散歩の途中で倒れた時など、私は何も出来ず、立ち竦んでしまったことがある。幸い犬仲間が見つけてくれ家内を呼んできてくれた。
 家内は手際よくバスタオルでブレを包みあっという間に家まで運んでいってしまった。

 この暑さの中ブレが倒れた時あと一日生きながらえてくれと心の中で祈ったけれど家内を待つことなく逝ってしまった。
 16年も一緒に暮らした家族だ。ブログにも登場させているけど、雑種で目つきがかわいい性格の優しい犬だった。近所に沢山のいぬ友達を作ってくれたのもブレの優しさからだ。
 犬仲間は血統書付の友達が多いけど、いつも先頭に立って仲間を引き連れて歩く。
 もちろんほかの犬より体が大きから親分気取りで自分より体の小さい犬には何をされても吠えたりしない。逆に仲間と連れ立っているときに大きい犬に遭遇すると威嚇し仲間を守る姿勢をとりったりしていいかカッコする。
 そんなブレも晩年は足腰が弱り散歩も玄関を出て数メートルも歩くと立ち止まり動けなくなる。だから両足を前後から抱えて帰ってくる。最初のころは意地があったのか抱えようとするとウゥーと威嚇したが、最近はそんな気力もなくスーと抱き上げられるままにしていた。
 体重もすっかり軽くなり別れが近づいてきていることを知らせてくれていた。
 私が勝手につれてきたので、最後も私一人でお別れを済ませた。そのことがかえって家内を悲しみを和らげることになったのかもしれない。